カチ、コチ…カチ、コチ…

心臓音に「落ち着け」と呼びかける壁掛け時計の秒針。それでも逸らずにはいられない胸時計。


毛穴すら目覚めさせられた今朝この瞬間。とりあえず毛布を被り、目にも留まらぬ早さでベッドの角っこへ移動する。

私どうして下着姿?
貴方なにゆえ上半身裸?

そもそも…


「あっあああ貴方美馬さんじゃないっ!」

「アー?」


至福のお目覚めから一転。思いもよらぬ珍事態発生につき、ガクブルタイム突入だ。


モノトーンカラーで囲まれた見覚えのある部屋、何度か彼氏と軋ませたことのあるダブルベッド。そこに見知らぬオトコが転がっているのだから、これは私的死活問題なのです。


「もしかして不法侵入…、びばしゃーーーーん!」

「アーアーうっせーなぁもう!合鍵もらってんだよセツ兄から」


「セツ兄」?美馬さんに兄弟は居ないはず。と、警戒心丸出しで疑いの目を向ける。

じーーー。


「なら、美馬さんはどちらに?」

「会社でねーの?俺が着いた時には居なかったな」


そう言われて時計を確かめると9時前。エリートサラリーマンの始業時間は8時なので、とっくに居ないのも当然で。


すると昨夜からの流れはきっとこう。
シたか否かは謎であれ、昨夜美馬さんは私をベッドへ寝かせてくれた、そして翌朝、私が寝てるうちに通常通りお仕事へ行ってしまったのだ。


「ところで、どなたサマ?」

「セツ兄とクリソツだから一目見りゃ分かンだろ、俺イトコのオージ」


ええ!美馬さんのご親戚!?

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