盲目少女と人斬り集団
晋作『泣くなよ、俺らはダチで家族だろ?』


晋作が私の涙を拭う


閑梛『か、ぞく??』


武市『家族か、良いな』

稔麿『僕も良いと思うよ、家族』

夏海『俺も、な?冠城のおっちゃん』

冠城『おうよ!!』

いきなり夏海先生が呼んだと思えば
冠城のおっちゃんの声がした
きて、くれたんだ

私がうれしそうに笑うと
みんなが笑う声がする。


以蔵『みんな、家族』


裕『ああ、〝鴨〟も出て来いよ』


裕は私から離れると隠れていたらしい〝鴨〟を呼んで戻ってくる


〝鴨〟『行く、のか?新撰組に』

不安げに尋ねてくる〝鴨〟


閑梛『うん、行くよ。決めたことだから、』

この決意は曲がらないよ
曲げられない。


〝鴨〟『コレを、、、持って行け』

〝鴨〟は私の手に一本の簪を乗せる

〝鴨〟『御守りだ。常に身に付けておけ。
誰にも渡すな、誰にも触れさせるな
それはしーを助けてくれるモノだ。
大切なモノだ、無くすなよ?』

〝鴨〟は私の頭を優しく撫でながらそう言うと
帰って行くのか足音が遠ざかる


閑梛『〝鴨〟!!ありがとねーっ』

私は精一杯手を振り
その簪を鬘に刺す

閑梛『そろそろ行くね』

私はみんなの方を向いて微笑む


桂『お元気で、また、会いましょう』


晋作『いつでも帰って来いよ!!』


以蔵『またね』


武市『つらくなったら文を書くと良い』


夏海『怪我をしたら俺の処へ来い』

裕『敵では会いたくないかな』



一人一人の言葉を胸に抱いて私はにっこりと笑う


     『私たちは
     なにがあっても 
      家族だよっ』
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