盲目少女と人斬り集団

一色閑梛


鴨『もう、あの日から二十年近くはたつ。
儂がまだ水戸へいた頃
儂は母と共に山の中で暮らしておった、、、。』


芹沢は壁にもたれ片割れに座る祐の髪を優しく撫でながら話を始めた


―――――――――――――――――――――


母『鴨ー、鴨、何処にいるのー?』


まったく、何処へ行ったのかしら、、、


母はせがれの鴨を探して山の中をあるいている


鴨が産まれて十年余り、
鴨には異様な力があると気付いた母は
鴨を連れ山へと入って
人目を避け、暮らしていた


鴨『母上!!子供が倒れていましたよっ』


芹沢は泥だらけになりながら崖の下から上がってくる
その背には
まだ五つにも満たない少女が背負われていた。


母『鴨!!その子は?!怪我をしているの!?』


私はすぐさま鴨の元へ駆け寄ると
童を鴨の背から離し
平面な地に寝転がせる


少女『ん、っ、、、』

童は身体中に傷を負っている


母『すぐに手当をしましょう
鴨、今から言う薬草を採ってきてちょうだい?』

鴨『はい!!』


私はいくつかの傷に効く薬草を鴨に言い採りに行ってもらう。
私は童を起こさないように抱き上げると家へと向かった

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