優しい君に恋をして【完】

違和感





次の日、


乾いた優のタオルをバッグに入れて、

お礼に渡そうと、メールの後から作り始めたクッキーも入れて、

駅へと向かった。




6番線のホームに続く階段を下りていると、

ホームに優が立っているのが見えた。


優が見えたと同時に、階段を駆け下り、優が階段の方を向いたから、

その前に立った。





「おはよう」



そう言うと、優はまたいつものように、

優しく笑ってくれた。



「あ、そうだ」



私は、バッグの中からタオルとクッキーを取り出し、


タオルの上にクッキーの入った袋を乗せて、

優に差し出した。




「これ、ありがとう」






優は、微笑みながらそっと受け取ってくれた。



そして、クッキーの袋を持った。



「それね、私が作ったんだよ」



私がそう言うと、リュックを前にして、タオルだけをしまい、

またリュックを背中に回すと、


クッキーの袋を開けた。



そして、星型のクッキーを取り出すと、じっと眺めてから、


ぱくっとその場で食べてくれた。





なんか......嬉しい......






「おいしい......?」




恐る恐る聞くと、



口をもぐもぐしながら、大きく頷いてくれた。






「よかった......」







そして、クッキーの袋を閉じると、

またリュックにしまい、


その時、電車がホームに入ってきた。





電車に乗り込もうとした時、


いつも優は私の後ろにスっと回って、


先に乗せてくれるんだけど、


今日は、





そっと、私の手を繋いできた。








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