身代わり姫君の異世界恋綺譚

別れ

夕暮れになるまでに実行しなければならない。

時間はあっという間に過ぎていく。

――お前は死んだら楽になるのだろうか。

ぐったりとした真白を抱きしめながら紫鬼は震えていた。

――し……き……。

抱きしめられながら真白の意識は次第に遠のいていく。

もうすぐ自分が消えて清蘭になることは分かっている。

紫鬼の腕に抱かれていると、清蘭がこの世に執着した理由がわかる気がする。

私だって……死んでも紫鬼に会いたいと願うだろう。

だけど、紫鬼の辛そうな顔を見るのは嫌……。

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