We are somehow connected with each other.
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意外と繋がりってのはあったりするモンで。


―及川 輝一―

今日は大学時代の先輩が俺の入籍祝いと商談に来る日。初音とは何度か会ってるが、先輩の嫁さんとは俺も初音も初対面になる。しかも七ヶ月の身重。安定期に入って、更に暇を持て余しているらしく、どうしても出掛けたいと言ったらしい。
あの先輩が…ベタ惚れってのが信じらんねぇ。

「承知しております。十八歳の奥様ですね」
「七ヶ月の妊婦のな」
「KAIコーポレーションの社長と言いますと甲斐征志郎様ですね」
「ああ、俺の大学時代の先輩だ」
「左様でございますか。ランチは如何致しましょう?」
「先輩の嫁さん任せだな。すぐ対応出来るだろ?」
「勿論です」
「出迎え頼むぜ」
「畏まりました」

初音は相変わらず社内では秘書だ。副社長と秘書って関係を勤務時間中に崩すと、容赦なく肘鉄や蹴りでいなされる。入籍から一ヶ月、式から三週間…漸く名前で呼ぶ事だけは許してもらえたとこだ。

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