ニセ×カレ

×悪夢の予兆×

―――翌朝

「みみぃ~、ごめんお待たせっ!」

「はぁ…ひなは時間通りに来た事がない! あんた何時に起きてるの?」

「えへへ~…ごめんなさ~いっ。毎日6時には起きてまーす…。
でも、髪の毛セットするの大変なのぉ!」

「全くもぉ…まあ、ひならしいけど。」


ひなとのいつも通りの会話。

何気ない会話。


大丈夫……ひなはきっと、昨日のことなんて忘れてるに違いないから。

嫌なことはすぐ忘れる。

ひなの長所だもん。


昨日のことは、忘れたことにした。

いつまでもうじうじしてるなんて、私らしくないじゃん…って思ってね。

明日は明日の風が吹く!

昨日のことなんて、あの人も覚えてないでしょ!


「おっ、バスが来たよ~!
今日もさ、授業ないんだよね? 新学期は最高!」

「はいはい、明日からはありますよ。
はぁ、ひなはついていけるのであろうか…私は心配でぇ~す。」

「ひどいなぁ! ひなだって、今年は心を入れ替えてガリ勉になるんだもーん。」

「お、じゃあ予習復習したんだ?」

「ま、まだだけどぉ…今日からするもんっ!」

「私は毎日このセリフを聞くことになるんだろうねっ!」

「もぉ、みみひどい-!」

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