好きだったよ、ずっと。【完】
「春夜…?」



「送る」



「え…?」



「俺が送るから」



俺は朱里の腕を掴み、二人が出て行こうとするのを止めた。



「なに、同情?」



朱里は俺の腕を振り払い、睨み付けた。



「違う」



そんなんじゃない。



「わたしが可哀想とでも思ったんでしょ?そんなのいらないから」



「だから、違うって!!」



俺が叫ぶように言うと、朱里はピクリと肩を揺らした。



「朱里、送ってもらえ。俺やっぱ腹減ったからここで飯食うことにした」



「え、でも…」



間宮が声を掛けると、朱里は不安そうな顔をした。



「いいから」



「…分かった。春夜、送って…」



間宮に言われ送る事になったのは癪<シャク>だが、「あぁ、行こう」と俺は朱里の背中を支え店を出た。
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