好きだったよ、ずっと。【完】
「いいってば。別に夜でもないし、平気だから。春夜も気を付けて帰ってね。それじゃぁ…」



わたしは逃げるように、春夜から離れ歩き出した。



「送るって言ってんだろ」



だけど、それを春夜に止められた。



掴まれた腕が、熱い。



「だから、一人で帰れるってば」



春夜の腕を掴み、そっと離す。



だけど、それをまた掴まれた。



「送りたいんだよ」



そんな掠れた声で、言わないでよ。



ただでさえ、春夜の声が好きなのに、そんな色っぽい声出されたら余計ドキドキするっ。



「あー、もう。勝手にすればっ」



わたしは思いっきり、掴まれた手を振り払うと歩き出した。



「あ、待てよ」



そんな声が聞こえた直後、ピタリとわたしの隣へ来て、一緒に駅へ向かった。
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