総長からの「愛してる」Ⅱ
解放の鐘が鳴る
《side 廉也》
話し終えた美愛に、文句を言うものなどいなかった。
鳳凰は、戦う意味がないことに気づき、喧嘩の姿勢も緩んでいく。
互いの間にあったピリピリちした緊張も、既に消えていた。
神大晃輝を通り過ぎるときにチラリと見れば、そこにはもう、殺気などなかった。
まあ、尊敬してたであろう姫に、あそこまで言われて、これ以上何もできないだろう。
美愛の言う通り、俺らは未来しか作れないんだから。
「美愛。」
美愛の側に行き、声をかけてやれば、美愛は微笑んだ。
「廉也、この戦いにも、ちゃんとした終わりを着けてくれる?」