総長からの「愛してる」Ⅱ

それでも俺は、敵になる


《side 悠希》



「美愛さんが龍嵐の姫として認められましたっ」



部屋のドアを開け、慌てて入ってきたのは俺を慕ってくれる奴。




周りを見渡せば、俺が信頼を置く仲間がここにいる。



誰も何も話さず、この急報に耳を傾けた。




「そうか。」



とうとう、戻れなくなった。



らしくもなく、常にポケットに入っている生徒手帳を取り出す。



………別に学校が好きなわけじゃない。



ただ、ここは美愛と通った学校で、


美愛にとっては別に特別じゃなくても、美愛と俺だけが秘密を共有した日々。




「………………。」



俺は生徒手帳に挟んだ一枚の写真を取り出した。




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