徹底的にクールな男達

必然的な結果

(4/4)

 何もしたくなかった。

 食べることも、寝ることも、考えることも、息をすることも。

 ましてや、米を炊いて、ナスの味噌汁を作り、送り出してから掃除と洗濯をし、帰りを待ちながらクリーム少な目のケーキを作って、一緒に寝ることなど。

 嫌だった。

 とにかく、全部嫌だった。

 早く、ここから出て行きたかった。

 武之内が所有する、マンションから。

 かといって以前住んでいた、既に引き払ったアパートに戻ることはできない。

 私は、何も失くした私は、どこにも行くことができなかった。

「依子……?」

 武之内は時々部屋を覗く。だけれども、顔なんて見たくない。話しかけてなんかほしくない。

 私は顔も上げず、ただダブルベッドに伏せって顔を隠した。

 そして、何も言わずにドアを閉めて行く。

 こんな、こんな生活……。

 考えれば考えるほど震え、涙が出た。

 何故あの時、武之内を選んだりしたのだろう。

 何故あの時、武之内のことを少しでも信じたりしたのだろう。

 何故あの時、後藤田を選ばなかったのだろう。

 後藤田を選んでいれば、こんな事にはならなかったはず。

 例え同じ目になっていたとしても、何もかもが違っていたはず。

 目元は腫れ、喉は痛かった。

 病院から帰宅してから1日半、ほぼ何も食べていなかった。

 お風呂にも入っていなかった。

 泣くか寝るか、それ以外考えれなかった。

 もちろん武之内はそんな私を置いて仕事へ行った。

 どんな風に仕事をしているかは容易に想像がつく。

 いつもの、冷たい顔で、狡猾に冷徹に物事を進めていくのだろう。

 そういう所が耐えられない。

 合理的で現実的で、私の事なんか完全に否定している、その様が許せない!!

 そう、だから……。

 私は電話をする。

「迷ったらかけてこい」

 だって仕方ないじゃん。

 まだ結婚してるけど、もうそんな関係じゃないじゃん。

 どうせ離婚するに決まってるじゃん。

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