お茶の香りのパイロット
ドールの生みの親
それから、パイロットの募集をして何人かの面接が行なわれたが、それなりの技能はあってもアフィニと言葉がかわせるようなパイロットは誰もいなかった。
「きびしいな・・・。フィアは確かに操縦技術が未熟だったかもしれないが、その分アフィニとの連携でうまく乗りこなしていただけに、困ったものだな。
その後、彼女の消息はわからないのか?」
「わからないんです。何か・・・何か手がかりでもあればいいんですが・・・。」
そんなやりとりをナオヤとアルミスは会議室で話していたが、ちょうど会議室でつけっぱなしにされていたテレビから2人を驚かせるニュースが入ってきた。
『昨夜、イグヤ地区に現れた白いドール10体すべてがバラバラに壊されるという事件がありました。
目撃者によると、まるで空気の間から黒いロボットの翼と手足がヒョイと出てはドールが切り刻まれてスクラップ状態にされていったとの情報が入っています。
警察当局など、情報部も含めて黒いロボットの消息を追っているとのことですが、それから何ら手がかりも入ってきていません。
皆さまからの目撃情報など、ございましたら、最寄りの警察の方へご連絡いただきたいと思います。』
「白いドール10体すべてをバラバラにした黒い翼をもつロボット。
空気から翼と手足がヒョイと出てくる・・・。どういうことだ?」
「おそらく、黒い翼はフィアを連れていったルイリードが乗っているセイリールですね。
空気の間から翼や、手足が・・・体全体が見えない状態で戦闘に勝利するには・・・?
そうか・・・!セイリールはこの世界の空間ではないところから攻撃してるんだ!!」
「おい、そんなことが可能なのか?」
「私も驚いています。でも・・・私の遠い記憶の中でそういうのを見たことがあります。
それは・・・アーティラスと王であった父が剣の稽古をしていたときでした。
アーティラスは白熱してくると、魔法のような力を発揮して、父を困らせていました。
あまりに不思議な力で、アーティラスに説明してもらったんですが・・・。
自分の前に結界を張るのだそうです。
結界の中はまさに自分ワールドで、他からの侵入や見ることすら拒絶することのできる空間なのだそうです。
それを、ロボットにも応用したとしたら・・・。」
「ま、まさか。けどな・・・アーティラスっていうのはアルミスと異母兄弟の兄だったよな。」
「そうです。母が違います・・・アーティラスの母親が亡くなって、私の母は後妻に入り、私を産んだとききました。
魔力を持つ人間がこの世界にまれにいるそうで、王室の女性によく見受けられたようで、まさに魔女と呼ばれた女性もいたとか。
そうか・・・魔力を応用した結界ですね。
ルイリードは結界の中を移動しているんです。
あれ・・・ではフィアは常にルイリードと行動をともにしているということになりますね。
そうか!彼をおびき出せばいいんです。
そして、手足を出してもらったところを引っ張り出す。」
「おお!さすがアルミスだ。そんな魔力ロボなんて俺もすごく興味があるぜ。
何としてもルイリードを捕まえて、セイリールを見せてもらわなければな。」
「ええ。おそらく、セイリールの中にフィアはいるはずです。
彼女ならきっと、セイリールとだって会話しているのではないかと思うし。
もし味方になってもらえたら、その技術を私たちにもお教えしてもらえないか交渉するのに。」
アルミスは落ち込んでいる暇などないとばかりに、セイリールが食らいついて来るエサ計画を考えるのだった。
「きびしいな・・・。フィアは確かに操縦技術が未熟だったかもしれないが、その分アフィニとの連携でうまく乗りこなしていただけに、困ったものだな。
その後、彼女の消息はわからないのか?」
「わからないんです。何か・・・何か手がかりでもあればいいんですが・・・。」
そんなやりとりをナオヤとアルミスは会議室で話していたが、ちょうど会議室でつけっぱなしにされていたテレビから2人を驚かせるニュースが入ってきた。
『昨夜、イグヤ地区に現れた白いドール10体すべてがバラバラに壊されるという事件がありました。
目撃者によると、まるで空気の間から黒いロボットの翼と手足がヒョイと出てはドールが切り刻まれてスクラップ状態にされていったとの情報が入っています。
警察当局など、情報部も含めて黒いロボットの消息を追っているとのことですが、それから何ら手がかりも入ってきていません。
皆さまからの目撃情報など、ございましたら、最寄りの警察の方へご連絡いただきたいと思います。』
「白いドール10体すべてをバラバラにした黒い翼をもつロボット。
空気から翼と手足がヒョイと出てくる・・・。どういうことだ?」
「おそらく、黒い翼はフィアを連れていったルイリードが乗っているセイリールですね。
空気の間から翼や、手足が・・・体全体が見えない状態で戦闘に勝利するには・・・?
そうか・・・!セイリールはこの世界の空間ではないところから攻撃してるんだ!!」
「おい、そんなことが可能なのか?」
「私も驚いています。でも・・・私の遠い記憶の中でそういうのを見たことがあります。
それは・・・アーティラスと王であった父が剣の稽古をしていたときでした。
アーティラスは白熱してくると、魔法のような力を発揮して、父を困らせていました。
あまりに不思議な力で、アーティラスに説明してもらったんですが・・・。
自分の前に結界を張るのだそうです。
結界の中はまさに自分ワールドで、他からの侵入や見ることすら拒絶することのできる空間なのだそうです。
それを、ロボットにも応用したとしたら・・・。」
「ま、まさか。けどな・・・アーティラスっていうのはアルミスと異母兄弟の兄だったよな。」
「そうです。母が違います・・・アーティラスの母親が亡くなって、私の母は後妻に入り、私を産んだとききました。
魔力を持つ人間がこの世界にまれにいるそうで、王室の女性によく見受けられたようで、まさに魔女と呼ばれた女性もいたとか。
そうか・・・魔力を応用した結界ですね。
ルイリードは結界の中を移動しているんです。
あれ・・・ではフィアは常にルイリードと行動をともにしているということになりますね。
そうか!彼をおびき出せばいいんです。
そして、手足を出してもらったところを引っ張り出す。」
「おお!さすがアルミスだ。そんな魔力ロボなんて俺もすごく興味があるぜ。
何としてもルイリードを捕まえて、セイリールを見せてもらわなければな。」
「ええ。おそらく、セイリールの中にフィアはいるはずです。
彼女ならきっと、セイリールとだって会話しているのではないかと思うし。
もし味方になってもらえたら、その技術を私たちにもお教えしてもらえないか交渉するのに。」
アルミスは落ち込んでいる暇などないとばかりに、セイリールが食らいついて来るエサ計画を考えるのだった。