Snow Love. ~大好きなキミへ~


相田先輩は無表情のまま、私の目をジッと見据えていた。


「お、おい、葉月。もっと笑えって!陽乃が怖がってるだろ?ほら、笑顔笑顔!」


慌てて優くんが相田先輩に何か言ってるけど、それすら私には届かない。


「優妃。早く行くよ」

「え、ちょっ!」


先輩は去り際にキッと私を睨みつけた後、優くんの腕を雑に掴んで階段から離れていった。


私はその場にボーッと立ち尽くしたまま、必死に頭の中を整理していた。


………私、何かしたかな。先輩に嫌われるようなこと、何かしたっけ。


全然、分からないよ。何もかも、分からない。


私はお昼が終わるまでずっと、ただその場に呆然と立ち尽くしていた。


───その理由が分かるのは、もう少し後のこと。





< 104 / 353 >

この作品をシェア

pagetop