Snow Love. ~大好きなキミへ~
最終章ー大好きなキミへー

母の優しさ



私は今、大きなツリーに色とりどりの飾りをつけている最中。


街はもうすぐ、クリスマス───。


「お姉ちゃん、上の方、届かないよ……」

「えー?もう、梨乃が小さいからでしょ。今、何センチだっけ?」

「梨乃?梨乃はねぇ、今138センチだよ!去年から2センチも伸びたの!」

「ふふっ」


あまりにも梨乃が得意げな顔で言ってくるもんだから、思わず笑っちゃった。


「あー!お姉ちゃん、今、梨乃のこと笑ったでしょ?ねぇ、パパ!聞いてよー!」


そんな私を見た梨乃は、頬をリスみたいにぷくっと膨らませると、飾りが入った袋をあさっているお父さんのほうへ向かって走っていく。


「どうした?」

「お姉ちゃんがね、梨乃のこと小さいって言うの。梨乃、小さくないよね?」

「ああ。梨乃は小さくなんてないよ。父さんからしたら、梨乃がこーんなにも大きくなってくれたことが何よりも嬉しいよ」


腰にぎゅっとしがみついた梨乃をなだめるように、頭をポンポンと撫でてあげているお父さん。


そして、ちょっぴり恥ずかしそうにお父さんを見上げながら、腰にまわした手をぎゅーっと強くした梨乃。


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