【完】紅(クレナイ) ~鏡花水月~
四章 飛翔
「ピィーーーーッ!!!」
口笛は静かな夜の森の中で木霊した。
「ピィーーーーッ!!!」
もう一度、口笛を吹く。
バサッ、バサッ…---
パサササッ…---
暗闇の中から、一羽の大きな鷹が私へと向かって飛んできた。
「………ッ」
差し出した私の腕に、大きな鷹が乗る。
かなり重いから少しばかり腕が下がってしまったけれど、すぐに持ち直した。