意地悪なキミに、スキをあげる。
オープンキャンパスと迷子




「うっす〜」


「……うす」



次の日の朝、あたしの隣の席のやたらうるさい人が


ガタガタと席に座り出した。




「女がうす、とか返事すんなよ〜。可愛くねーな!

普通はなー…おはよう!綾斗くん!とか言うんだよ」




朝からテンション高いこの人…。



クラスでもノリがよくて仲もいい、木下綾斗(きのしたあやと)。



綾斗って呼ぶのが面倒で、あたしはアヤって呼んでるんだけど。




「あー左様でございますか。それは悪うございましたっ」


「なんだよその返事!話すときは人の顔見て言えよな」


「アヤなんて見る暇あったら朝陽さん思い出すし」




アヤには、朝陽さんのことを話してある。


朝陽さんに会わせたことはないけど。





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