Blind Love

お兄ちゃん

耕汰先輩と付き合い始めて1ヶ月ほどたったある日のことーーー


「ま〜ほ。」



部活が終わって、真っ暗な道を仲間たち6人で、話ながらバス停まで歩いていると、聞き覚えのある声に自分の名前を呼ばれた。


「今、呼ばれたよね?」

「うん、耕汰先輩の声だったよね⁈」

相槌をうってくれたのは、カラーガードの景子。
彼女は、高校からの入学だから3年の付き合いになるけれど、1番気が合い何度か泊まらせてもらったりもしている。



2人して、キョロキョロ見渡しても耕汰先輩はいなくて…




坂道に停まる1台の車以外はひと気がなかった。
耕汰先輩は、まだ車校に通ってる最中だからその時の私は、全くのノーマーク。



そうこうしているウチに、運転席側の窓があいた。

けれど、運転手さんに見覚えは無くて…
しかも、ちょっと怖そうな人。




景子と2人、キョロキョロしてる間に、他の皆との距離もあいてしまっていたから、知らないフリして通り過ぎることにした。



「…おい!
無視すんなよー、まほ。」

運転手さんの横からひょこっと顔を出した耕汰先輩。


「あっ、やっぱり耕ちゃんだったんだ。」


「もー、びっくりさせないでよ久米っち。」

景子は、バンドの先輩みんなを勝手にあだ名で呼んでいた。



「真帆、送ってくから乗りなよ。
北川も、駅まで送るぞ。」
あたかも、自分の車の様に言う耕汰先輩に2度びっくり。


「私は、皆と帰るからいいですよー。
真帆、せっかくだから乗って帰りなよ。」

「えー、でも…」


先を歩いていた皆も、戻ってきてくれて耕汰先輩たちと少し話して、バス停へと向かって行った。







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