翌日、スタッフルームに緒方さんのお説教が響いていた。

昨日、電話でもさんざん私を怒ったのに、まだ言い足りないらしい。

私は仁王立ちする彼女の前で縮こまって椅子に座り、彼女の怒りがおさまるのを静かに待っていた。


「――どうして一緒にご飯食べて来なかったの!家に誘われたのを警戒するのはわかるけど、外でのランチなら一緒にすればよかったじゃない!!」

「だ、だって……ほぼ初対面の人と食事なんて、何を話したらいいか……」

「そんなのいざ面と向かってみれば意外と大丈夫なものなの!……あーもう、どうしてみすみす出会いのチャンスを逃すかなーなずなちゃんは」

「……別に誰とも出会いたくないですもん」


きっぱり言い切った私を見て、緒方さんが大きなため息をつく。

そして何故か寂しげな表情になると、声のトーンを下げて私に訊いてきた。


「……前の彼とのこと、まだ引きずってるの?」


平気な振りをしていたかったのに、膝の上に置いた手がぴくりと震えてしまった。

緒方さんはそれを見逃さず、私の隣の椅子に腰掛けゆっくり口を開く。


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