愛したがりのカラダがね…、《Berry's Cafe限定》-【完】

◆絶望の涙



出張から帰った龍司はご機嫌だった。


「4月の第2日曜か…大安だし、いい日が取れたな」

「うん…」

「これから忙しくなるな。真央もドレスのデザインとか考えておかないと…あぁ、ご両親には連絡してくれたか?都合のいい日を聞いておいてくれ。挨拶に伺うから」

「分かった…」


まだ親には何も言ってなかった。


麗子にあんな格好のいいこと言ったけど、いざ龍司を眼の前にすると何も言えない情けない私。




それから、一ヶ月…


私は龍司に言われるまま、彼の実家を何度か訪ねお母さんとも打ち解けて笑顔で話せる様になっていた。莉子ちゃんはとても可愛くて私が帰ると言うと、毎回、涙を流して引き止めようとする。


和弥もなんとか龍司の運転手に戻る事が出来て喜んだけど、2人で会う事はままならななかった。それに最近は、龍司が頻繁にマンションに来るから電話で話す事も出来ない。


和弥に会えないもどかしさでイライラが募る…




―――梅雨も終わりを告げ、太陽の日差しがより一層、強く感じられるようになってきた7月のある週末…


「週明けから九州に出張だ…」

「…九州?長いの?」


和弥に会える…


嬉しくて、つい頬が緩んでしまう。でも、龍司の次の言葉にその喜びは一瞬にして消え失せた。


「いや…3日間だよ。桜井も一緒に行く…」


えっ…?和弥も?

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