同期が急に変わったら…。〜将生side〜
おいっ。



夕方まで、

タバコ休憩もとらず、

仕事を次々と終わらせた。






定時を過ぎても

営業1課は、

まだほとんどの社員が残っていた。






『課長。』






顔を上げると、

いずみが俺のデスクの前に立っていた。






『どうした?』

『これ、お願いします。』






書類を提出するいずみは、

ご機嫌MAXな笑顔だ。

よっぽど食事会が楽しみらしい。






書類を確認し、





『よし、いいぞ。』

『はい。』

『あー、桐谷。ちょっと待て。』

『はい。』






メモ用紙を取り出し、

カリカリと文字を書く。






〜もう少しで終わるから
駅前のコーヒーショップで待てるか?〜






書いたメモを手渡し、





『この資料、探しておいてくれ。』





メモを見て、

嬉しそうに笑ういずみ。






バカ、そんな顔して笑うな。





俺もつられて

笑いそうになるだろ。






チラッと小泉と宮野を見たら、

二人とも俺を見て、ニヤついていた。






お前ら、こっち見んな。

仕事してくれ。






つられて笑わなくて良かった。

ヤバかった。





『わかりました。』

『頼んだぞ。』





俺は、すぐパソコンに視線を戻した。






いずみは、デスクに戻り、

鞄をデスクの上に置いて、

帰り支度をしている。





隣の席の宮野と言葉を交わしてから、





『お先に失礼しま〜す。』





挨拶をしながら、

オフィスを出て行った。






俺も早めに終わろう。






いずみが待ってるから。





< 118 / 163 >

この作品をシェア

pagetop