同期が急に変わったら…。〜将生side〜
もう、



今日から、出張で福岡。





この3日間、

福岡支店での会議が主なスケジュール。

おそらく、夜は飲み会になる。





この福岡支店には、

俺が慕う先輩がいる。

営業部長の勅使川原さんだ。

テシさんと、呼んでいる。

確か、40歳くらいだったと思う。






ここでの会議では、

ほぼテシさんが中心となって

進められていく。





とにかく、喋りがすごい。

本社にもここまでできるヤツはいない。





会議をしながら、

俺はその話術を学んでいる。

福岡出張は、勉強の場でもある。

大事な時間だ。







とにかく、

たくさんの事を頭に詰め込み

一日目が終了した。






『藤森、行こうか。』

『はい。』






テシさんと、

他数名でモツ鍋の店に来た。





福岡のモツ鍋は最高に美味い。

アルコールも進む。






『藤森、最近はどうだ?』

『忙しくしてますよ。』

『そうか。』






仕事の話をしながら、

テシさんの経験談も聞いたりして、

やはりいい飲み会だった。





いい感じで酔いも回ったところで、

飲み会は終了し

テシさんとタクシーで帰る。






宿泊先は、いつものビジネスホテル。

テシさんの自宅の

少し手前にあるらしく、

いつも帰りは便乗させてもらう。





『藤森、お前いくつになった?』

『30になりました。』

『そうか、30か。
俺が結婚した年齢だな。』

『そうですか。
ちょうど適齢期ってやつですか。』

『まあ、そうだろうな。
お前、どうなんだ?』

『俺はまだ。もう少しかかります。』

『お?いい人がいるのか?』

『いい人というか……。』




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