【完】天使の花〜永遠に咲き誇る愛を〜
何!?何が起こったの!?

突然の事に頭が真っ白になった。

私……氷室部長にキスされてるの!?

そう思う間もなく

氷室部長は私の唇を割って

強引に私の口内に舌を入れた。

「…あっ……んんっ。」

激しいキス。

深く、荒々しく舌を絡め取られ

後頭部を引き寄せられて

身動きが取れない。

どうしていいかわからない。

でも、嫌じゃないと思う自分がいる。

何だか溺れてしまいそう……。

氷室部長のルームウエアに

しがみつきそうになった時

“ハッ”と我に返った。

いけない…このままじゃ。

何とか右手で氷室部長の胸を押すと

やっと唇が離れされた。

濃厚なキスに私の息が上がった。

氷室部長もやや息が上がっている。

視線は私を捉えたままだった。

「…氷室…部長…どうして。」

息を整えながら口を開いた

私の言葉に氷室部長は

右手で私の頬を撫でた。

細長い指…優しい手つきに

顔が紅くなりそうになる。

ドキドキする。

そんな中で氷室部長が口を開いた。

「…もう一度言う。
俺は野村羽美花の事が
ずっと前から好きだった。」

再び囁かれた愛の告白に

「…えっ!?あの…。
その…いつから…ですか?」

私は戸惑いを隠せない。

すると、氷室部長は私を見つめて

「…君を…駅で助けたあの日からかな。
最初は本当に人助けのつもりで
君と菊田さんに声をかけた。
でもその時、俺を見つめた君の顔が
不謹慎ながらも美しいと思った。
……一目惚れだったんだ。」

「…えっ!?」

「…名前を聞かなくて後悔してた。
Sコーポレーションと聞いて
あれから内定を貰ったのか
気になって仕方なかった。
でも、あの時研修担当だったヤツが
『氷室さんが助けた野村羽美花さん。
内定ですよ。』
と、俺にコッソリ言いに来たんだよ。
凄く嬉しかったよ。」

そう言って、氷室部長は

再び私を抱き締めた。
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