ふたりのガーディアン

距離

そんな瀬名君との楽しい時間を過ごしたわずか二日後。


私はクラスの女の子二人に、中庭に呼び出されていた。


そのうちの一人は、この前教室で私の話をしていた子だ。


どうしよう。


なんだか胸騒ぎがする…。


「ねぇ、竹内さんと瀬名君って付き合ってるの?」


髪を綺麗にカールした女子が、私にぐっと詰め寄って来る。


「えっ?付き合ってないよ」


どうしてそんなことを聞くんだろう。


「あたし、見たんだよね。一昨日。

瀬名君と竹内さんが一緒にいるとこ」


えっ。一昨日?


ハッとした途端、ドクンと心臓が波打った。


「竹内さん、瀬名君と腕組んで歩いてたじゃん。

ああいうのってさ、デートって言うんじゃないの?」


あの時だ。


ヒールのパンプスを履いた時、歩くのが難しくて、瀬名君が腕を貸してくれたんだよね。


あれを見られたんだ…。

< 56 / 932 >

この作品をシェア

pagetop