もう一度抱いて
思いがけず
次の日の月曜日、私はいつもの大学の講義室にいた。


あんな強烈な出来事があったせいか、ゼミの先輩に振られた悲しみはすっかりどこかへ消えてしまい、あの彼との情事ばかりが蘇って正直困っていた。


必死に払拭しようとするのだけど、勝手に蘇って仕方がなかった。


だって、本当にすごかったから…。


いまだかつて、あんなに情熱的な夜を過ごしたことがあったかしら。


はぁ…。


私って、いつからこんなエロい女になってしまったのだろう?


「ちょっと、里桜(りお)」


名前を呼ばれて、ドキッとして振り返る。


「あ、亜美…」


先日の合コンの主催者、亜美が私の真後ろに立っていた。


「ご、ごめんね…。
飲みすぎちゃって…、迷惑かけたよねー…」


亜美、きっと怒っている…よね?


ドキドキしながら、上目遣いで亜美を見つめていたら、急に亜美が私の手を取った。


「置いて帰ってごめんっ」


「へ?」


怒られるかと思ったのに逆に謝られて、目がパチパチしてしまった。

< 19 / 479 >

この作品をシェア

pagetop