禁域―秘密の愛―【完】
5: 蝕まれる想い


ーーーそして、季節は流れ。

3月に17歳を迎えた私は、そのまま心地の良い春と共に、高校3年生になった。

街中もところどころ、桜の花が咲き乱れており、"新生活応援フェア!"と銘打った店が多くなる。



………何かが変わる。そんな時期だった。




「………ふう」

真新しい気持ちで、校門をくぐる。

今年は、いよいよ受験生として将来のことを考えた学校選びをしなければならない。


頑張らなくちゃ………!

そう思いながら、3年生の特別進学科の教室へ向かった。以前の教室より一つ階段を登った所にある。

そこに行けば教室の前に新しいクラス名簿が貼り出されてあるはずだ。

けど、それが緊張するんだ。

巧や………愛ちゃんと同じクラスになれるといいな。

「ーーー瞳!」

階段を登った途端、愛ちゃんの変わらない明るい姿が私を迎えてくれた。

「愛ちゃん!」

「瞳!ねえ、今年も同じクラス!」

「本当に!?嬉しい!」
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