禁域―秘密の愛―【完】
8: 芽生えた想い
ーーーーあの合コンから、数日後。
「ごめんなさいっ!瞳ちゃん!」
「綾瀬!悪かった!」
かれんちゃんと、藤咲君が私のアパートまで謝りに来た。
「へっ………?」
いきなりの来訪にも驚いたけれど、何よりいきなりのその行動に私は目を丸くするしかなかった。
この二人が………もし、私へ謝る事と言えば一つしかない。
「もしかして………合コンの事?」
「そう………。事情はだいたい蓮から聞いた」
「藤原が、綾瀬の文句ばっか言ってたんだよ。それでよくよく事情を聞いたら………綾瀬が人前で園屋って男を怒鳴ったっていうから何かあったんだと思ったんだ」
「そうだよ………。瞳ちゃんが人前で怒るなんてそんなの私、信じられなくて………だからよっぽど嫌な思いをしたんだと思って……私……」
本当に申し訳なく私の事を見つめている、かれんちゃんと藤咲君。
よく事情を知らないなら普通は真っ先に私のことを責めると思うのに………。
そうではなく、それだけの会話から私の本当の気持ちを汲み取ってくれた……。
それだけ私を見ていてくれた二人がいてくれてとても嬉しかった。