◎☆ Margaret*
● 記憶
あれは確かわたしが中学校に入る頃。

相変わらず病院生活が続いていた。
根暗で地味なわたし。

誰が悪い訳でも無いのに、
自分の病に、自分の性格に、
自分に対する周りの態度に、
ただただいらいらして
行き場の無い感情が
わたしのなかで渦を巻いていた。

那由太さんが中学校に上がる頃から
だんだんとわたしたちは遊ばなくなった。

今考えみれば、
小学校六年生の男の子が
自分より三つも下の小学校三年生の
女の子二人と毎日遊んでくれた事自体、
申し訳の無い話だ。

そんな那由太さんがお見舞いに
来てくれていた。

その頃、那由太さんは高校一年生だ。
< 9 / 90 >

この作品をシェア

pagetop