闇ノ花

幕末に参りけり



──
───
────




「ん……?」





木がざわめいている。


ていうか、ここは、どこ?森?


私はサッと立ち上がり、きょろきょろと辺りを見回した。


だけど、どこもかしこも木しかない。


おまけに真っ暗。


月だけがやけに目立っていた。


そして、さらに。





「雪……」





真っ白な雪が降っていた。


地面には大量に積もっている。


そして、あまりの寒さに体が縮こまる。


しかしその時だった。


ピリッと、空気が張り詰める。


誰だ……暴走族か忍か、それともただの通行人か。




< 12 / 522 >

この作品をシェア

pagetop