闇ノ花

新しい居場所




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「はー……」




藤堂さんと私は、揃って長いため息をつく。


私が連れて行かれた先は、山崎の部屋。


しかし、ここにたどり着くまでが大変だった。


この屯所には、隠された天井裏の通路がたくさんあったのだ。


藤堂さん曰く、それは山崎が作った物で、山崎と幹部しか知らないらしい。


そして諸士調役の命も課せられている山崎は、その天井裏の通路から、隊士達を監視をするのだとか。


通路は迷路みたいになっていて、一人で通れば迷子になりそうだ。


そして、その通路を何度も曲がり、天井から一階へと繋がる階段の先に、屯所の中で最も影の薄い部屋。


つまりは山崎の部屋があった。


……忍であれば、ここまで徹底するのか。


山崎はやっぱり相当な腕の忍であったようだ。




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