夏色の約束。~きみと生きた日々~


でも、ちゃんと聞かなきゃ。


なつは決めたんだから。


あおちゃんと一緒に頑張るって、あおちゃんと一緒に闘うって。


「……俺ね、ここ最近、あんまり調子がよくないんだ。発作の回数も増えたし、体の力もだいぶ弱ってきてる」

「……うん」

「正直、今も胸が苦しいし、呼吸もしずらい。いつ倒れちゃうのか、自分でも分からないんだ」


顔を上げてあおちゃんの表情をうかがえば、あおちゃんは目の前に広がる海を射るような瞳で見つめていた。


< 173 / 306 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop