夏色の約束。~きみと生きた日々~


なつの体が、思わず固く凍りつく。


チラッと視線を横にずらせば、クラスメイトたちと目を細めながら楽しそうに笑っているあおちゃんがいて。


ドクン、と、なつの胸が淡く疼いた。


嘘、でしょ……?


なつ、本当に……?


「ねぇ、花鈴ちゃん……」

「ん?」

「なつ、ドキドキするかも……」


なつが震える声でそう言えば、花鈴ちゃんはものすごく嬉しそうに笑って、


「私、応援するから!」


って、なつの頭をポンポンと撫でてくれた。


なんだかそれが恥ずかしくて、くすぐったくて、なつは照れた顔を隠すように俯きながら微笑んだんだ。


………ねぇ、あおちゃん。


なつ、今まであおちゃんのこと仲の良い友達だと思ってた。


友達以上、恋人未満。


そんな言葉があるけどね、なつたちの関係は、それにぴったりだってずっと思ってたの。


でもね……?


なつ、もしかしたら……あおちゃんのこと、好きかもしれない。


あおちゃんの彼女になりたいって、一番になりたいって、そう思うの。


……なつが幼い頃からずっと“友情”だと思っていたこの想いは、もしかしたら“恋”かもしれないよ。


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