夏色の約束。~きみと生きた日々~

きみの見せた弱さ



「菜摘ちゃん、お誕生日おめでとう!」

「おめでとー!菜摘!」

「わぁ、みんな!ありがとう!」


あおちゃんにフられて、初めての喧嘩をしてからもう9日。


今日は、なつの11歳の誕生日。


うきうきしながら教室のドアを開けると、パーンってクラッカーの大きな音が鳴って、なつの机の上にはたくさんのプレゼントたち。


「菜摘、これもあげる」

「このピンクの包装のやつ、私のだよ!」

「あっ、おい!この肩叩き券あげたの誰だよー?」

「あ、はい!俺のやつだ!」

「あははっ」


そして、その大量のプレゼントたちに負けないくらいのまぶしい笑顔。


なんだろう。


今日が誕生日だからなのかな?


みんなの笑顔を見るだけで、とっても嬉しくて暖かい気持ちになれる。


「みんな、ありがとね」


なつはひとつひとつのプレゼントを手に取り、眺めながら、にっこりと笑う。


< 72 / 306 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop