「でも、人と人とが関わってる限り、仕方ないって言えば仕方ないかもね……。私らだって、バイト君やバイトちゃん達の不興を買ってるかもしれないわけだし」

「まあね。とりあえず、私は男連中に敵視されてるのは確かだ」

「おやあ? 別に全員ってわけじゃないでしょ?」

 倫子はニヤリと不敵な笑みを浮かべると、気持ち悪いぐらいに一穂にすり寄り、「高橋君は例外じゃない」と耳元で囁くように言ってきた。

 一穂は一瞬、答えに窮しながら、「え、あ、うん……」と曖昧に返した。

 そんな一穂を、倫子はなおも満足げに眺めている。

「いいねえ。私は別に年下は興味ないけど、それでもあんたが羨ましいわあ。男嫌いだって言ってたくせに、結局ちゃっかりと当たりクジを引いちゃうんだからさあ」

「ちょっと……。高橋君を物みたいに言わないで!」

「おやおや、ムキになっちゃってえ。あんたもまだまだ青いわねえ」

 オホホ、とわざとらしい笑い声を上げながら、倫子は脱いだ私服をロッカーにしまう。
 よく口と手が同時に動くものだと、一穂は感心しつつも呆れた。

 ふと、時間が経っているのに気付いた。

 のんびりし過ぎたと思いつつ、一穂も私服を片付けると、五分前になってから倫子と共に売り場へと向かった。
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