Treasure~もう一度、恋~
「それにしても有希って童顔よね…」

「陽子、それ、ほめてる?」

「モチロン」




あたしのインタビュー記事の何ページか後ろに

“彼”の記事も載っていたことを

あたしは、この時まだ知らなかった――――。





「有希さん…めちゃくちゃ可愛いっす!!!」

「お母さん、かわいーねー」

「ふ、ふたりとも、そろそろご飯にしない…?」




平澤くんと陽斗。

ふたりで雑誌をうっとりと見つめ、かれこれ30分が経過していた。




「俺の建築士仲間も、有希さんのファンが多くて…俺心配です!」

「平澤くん、大げさだよ…」

「もしよければ、ボディガードしますから!」

「う、うん。必要になったら頼むよ…」




3人で、ご飯を食べる。

あの日

あの時

彼と離れなかったら

ここにいたのは

彼、だったのかな


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