Treasure~もう一度、恋~
ベッドの上に裸の女友達を残して、俺はホテルを出た。

もう触れることも叶わない、彼女を想って、他の女を抱く



それが、こんなに虚しいなんて、知らなかった



「…こんなことになるなら、とっとと告白して…
 抱いちまえばよかったな」



空を見上げて、一人呟く。







彼女が、好きだ

今も





有希さんと一緒になりたかったな

陽斗の、パパになりたかったな





幸せな、家族になりたかった






「俺って、バカ」




最後までいい人の振りして

自分の気持ちすら伝えられなかった





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