Treasure~もう一度、恋~
「ああ、レイから電話きてたんだ?」

「うん」




撮影から帰ってきた瞬は、あたしと陽斗に

熱烈なちゅうの嵐を降らせた後に

なんてことなく、あっさりとそう言った。



「もしかして、元カノ、とか?」

「ないない。告られたけど、断ったし。
 なんていうか、妹みたいにしか思えないんだよな」

「そう、なんだ」




ほっと胸をなでおろす。

そんなあたしを、瞬は見逃さなかった。



「なに、もしかして嫉妬?」

「…!」

「有ー希ちゃん?」

「うう…悪い?」

「え、まぢで?」

「ごめん、ちょっと勘ぐっちゃった…」

「…い」

「え?」

「有希、まじで可愛い!」



言い終わる前に、瞬ががばっとあたしに抱きつく。

苦しいくらいに強く抱きしめられて、あたしはじたばたともがいた。



「あー!瞬くんずるい!僕もお母さんにぎゅーってする!」

「よし!陽斗も来いっ」



瞬は陽斗を軽々と片手で抱き上げると、あたしと瞬の間に滑り込ませた。

ふたりで陽斗を抱っこするように、抱き合う。









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