Noisy Christmas
若干名接近中

    * 若干名接近中 *


最近、私の周りをウロチョロする生き物が若干名いる。
その一人目が、今日も無駄に元気を振り撒きながら私の前に現れた。

「あ、みーっけ」

満面の笑みで憎めない顔の矢野一が、弾む足取りでオフィスのある廊下を小走りに近づいてきた。

「矢野は鬼ごっこでもやってるの?」

君は小学生ですか。

「だとしたら見つけるのうまくないですか?」

呆れて顔を見返すとめげずにニコニコと愛想よくそんなことをいっている。

「何か用?」
「え?」
「え? じゃなくて。用事があるから探してたんでしょ?」

それとも、本気で鬼ごっこ?
矢野の場合なくはないと思えてしまうから恐いわ。
< 1 / 23 >

この作品をシェア

pagetop