「理子、今日の服装、いいんじゃない? 婚活パーティーにぴったり」

同期の藤井加奈が暇になったのか、理子のデスクにやって来た。

「そうでしょう?」

いつもは着ないベビーピンクのワンピースを着ている。袖がオーガンジーのシースルー、身ごろはウエストが絞られ、ふんわりとしたスカート丈は膝頭まで。

この可愛らしいワンピースをもうすぐ30歳になる女が着ていいものだろうか。
このワンピースを着るには勇気がいった。

「とても30になるようには見えないわ。せいぜい……25,6かしら」

「若作りだなって言いたいの? それにまだ30歳になっていないわよ」

理子は自分の服に視線を落とす。

「ま、いいんじゃない? まずは見た目で勝負よ。婚活パーティーなんて、最初はそれからでしょ? 可愛ければ男は寄ってくるんだから」

「寄ってくるって……」

小石川理子は現在29歳。
クリスマスイブが誕生日の理子は、あと2ヶ月もすれば30歳になってしまう。

会社の同期や友人たちのほとんどは、結婚して子供までいる家庭もある。

今まで付き合った男は数人いた。
最後に付き合った男とは婚約までしたが……。