「そうでしたか……ご縁がなかったということですね。あなたとならキスも出来ると喜んでいたんですが」

最後に気持ち悪い発言をして、理子の前から去っていった。

(はぁ? 今、キスって言った? ううっ、気持ち悪いっ)

背筋にぞくっと寒気を感じ両腕を身体の前で組んだとき、あずさが近づいてきた。

すでに参加者は部屋から退出しており、理子だけになっている。

「もーう、散々な結果だったわ。1組もカップルが出来なかったなんて課長に報告したらどやされちゃうわ」

疲れた様子で首を回すあずさに理子は苦笑いを浮かべた。

「参加者は選んだ方がいいんじゃない?」

(久我副社長のせいだとは口に出して言わないけれど)

「そうね。身に染みたわ。で、あんたが女性では一番人気だったわよ。彼の名前を書かなければね~ カップル成立だったのに」

「え? そうなの?」

自分が一番人気だったと聞いて驚く理子だ。

「一番人気の男性に媚びる態度を取らなかったのが良かったんじゃないかしら。でも、心の中ではあんたも彼だったとはねー まったく、彼が女性の名前を書いてくれれば1組成立だったのにー」

あずさの口調がイラつき気味だ。