恥ずかしくて赤面しながら首から外そうとすると、鎖が理子の髪に絡んでしまったようで取れない。

「いたっ」

無理に外そうとした途端、鎖に絡んだ髪が引っ張られ頭皮が痛む。

「動かないでください。外してあげます」

悠也は理子の後ろに回ると絡まった髪に手を差し入れた。

そこで、エレベーターが1階へ到着した。

「降りてから取りましょう」

悠也に促されて理子はエレベーターを降りるが、すぐ後ろに立つ存在に心臓が痛いくらい暴れはじめる。

人の邪魔にならないすみへ行き立ち止まる。

「取れましたか?」

なかなか取れないようで、屈んだ悠也の吐息が理子の耳朶にかかり身体が小さく震える。

「取れました」

「ありがとうございます」

振り返りネームプレートを返してもらうと、バッグの中へ放り込む。

「少し時間ありますか? よければ飲みませんか?」

「えっ?」

悠也からの誘いに理子は目を瞬かせる。

(うそ……どうして……?)

「スタッフの女性から君が飲みたそうだって聞いたので」

「あ、あずさが?」

「俺も飲みたい気分なんです。少し付き合ってください」

強引に理子を誘った悠也は返事を待たずにビルを出た。

突然のことに何が何だかわからないまま、理子は悠也を追う。