甘い恋の始め方
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月曜日の朝、理子がデザイン課の部屋へ入ると、まだ誰も来ていなかった。

いつもより1時間早い。

フレックスタイム制の為、急ぎの仕事を抱えていなければだいたい10時出社が多い。

1時間も早く出社したのは、悠也に合わないためだった。

これまでも出社したときに会ったことはない。だいたいの社員は電車通勤だが、悠也は車で通勤しているのかもしれない。

悠也の電話を待った土日の2日間。

結局電話は無かった。

それでも期待して待っている理子は、精神力が尽き果てどっと疲れた休日だった。

(かけてこないのかもしれない)

そう思うとなおさら理子の方から電話をかけるのはためらわれた。

(受け身の女にはなりたくないけれど、避けられているとしたらみっともない)

バッグを机の引き出しの一番下に放り込むと、途中で買ってきたベーグルをコーヒーで流し込みながらパソコンを立ち上げる。



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