私たちは大学生になった。
メンバーはみんなそれぞれ違う大学に通っていたがバンド活動は続けていた。

この頃からコピーバンドを卒業し
自分たちで曲を作ってライブではその曲を披露していた。
陸のルックスのお陰で人気は上々。
ライブハウスでも定期的にライブをやっていた。
固定ファンも出てきたがそのほとんどは
陸のファンだった。
高校卒業したら恋愛処理班も卒業できると喜んでいたけど

この頃の方がたちが悪かった。
女の子大好きで来るもの拒まずが、時には修羅場化する事もあった。
その度に呼び出されるのは私。

「今度は何やったの?」
腰に手お当てて仁王立ちの私に
「ダブルブッキングってやつかな?」
顔には爪で引っ掻かれた跡と首回りがよれよれになったTシャツ
力が一気に抜ける私に陸はごめんと手を合わせる。
そしてその後ろには一人しくしく泣いてる女の子がいた。
恐らくファンの子で、陸とは・・・寝たんだろうな・・・
私は陸の頭を1発スコーンと叩くと
泣いている女の子のそばまで行く。
私がenvelopeのベースだと知っているから向こうも敵意はない様だ。
「うちのバカが勘違いさせる様な事させて本当にごめんなさい」
私は深々と頭を下げた。
女の子は慌てて頭を上げてというが私はあげなかった。
「あのバカ陸は、とにかく来るもの拒まずなんです。
でもそれだけなんです。だからそれ以上の感情は持ち合わせていません。
陸が好きな気持ちを辞めろとは言いませんが、あなたが陸の彼女になる
事はたぶんないと思います。」

私は一体どれだけの女性にこのセリフを言った事か。
幸いこのセリフで私が殴られることはなかったけど
必ず言われるとことがあった。
それが
「じゃあ・・あなたは陸のなんですか?」
その質問をされる度に私は
「単なるバンド仲間です。恋愛感情など一切ありません」
だった。

帰り際に「もう1発くらい殴っても罰は当たらないわよ」と
女の子に言うと殴ったり・・殴らなかったり・・様々だった。

「春姫・・・サンキューな」
「なにがサンキューよ!女の子と遊ぶのはいいけど
責任のもてない遊びは遊びじゃないんだからね。
私がいつまでもあんたのフォローするなんて思わないでよね」
こんなことの繰り返しはそれからしばらく続いたが
ある日を境にそれはなくなった。

それは・・・私に彼氏が出来た頃からだった。