それは本当に偶然だった。
私と洋介が近くの大型ショッピングモールでデートをしていた時、
陸も女の子と同じ場所にいたのだった。

コーヒーショップから出てきた私たちと陸がすれ違った。
私は洋介と腕を組んで楽しそうに・・・
対する陸はつまらなそうな顔でジーパンのポケットに手を突っ込み
少し前かがみに歩いていた。
隣にいる女の子は見たことのない女の子。
陸にしがみつくように腕を無理やり組んで歩いていた。

私と陸の目が合うと、目を見開き
驚いた様子でお互いを見るが
声をかけることはなかった。
洋介にどうかした?と言われたが
首を横に振った。
でも心の中では
ばれた・・・ばれた・・・が頭の中をぐるぐると駆けまわっていた。

それからだった。
恋愛処理を依頼されなくなったのは・・・・

元々人の恋愛に興味がなさそうな陸だったから
私の前で洋介の事を聞かれる事はなかった。

だが、あとから聞いた話
私以外の3人でいる時
陸はやたら私の事を松田君や藤堂君に聞いていたようだった。
そんな素振りは一切見せなかったのに・・・・


洋介との交際は彼が就職して半年ごろ終わった。
別れた理由は仕事が忙しくてすれ違いってことに
なってるけど
それだけではなかったと思う。

ショックで目を腫らしながも、スタジオでのバンド練習は
参加していた。
でも笑っちゃうくらい誰もそのことに触れなかった。
どうせなら
「何で泣いてんの?」って聞いてくれた方がよかった。
特に陸なんていつも以上に私の演奏をけちょんけちょんにけなした。
今ならそれはやさしさからくるものだって分かるけど
あの頃はそんな余裕なかった。

だから陸が大嫌いだった。
もしバンドやってなかったら
きっと友達もやめていた・・・かも