12月24日。

有坂美緒は大きなため息をついた。

窓の外を見れば、うんざりするくらいに降り積もった雪。東京で生まれ育った彼女にとって、北国の雪は厄介なもの以外の何ものでもなかった。

夫の転勤のために札幌市内へ引っ越してきて半年ちょっと。ここには友達もいない。近くにはおしゃれなスーパーもカフェもあるけれど、この半年の間に何度も通ったので飽きてしまった。遠出をしたくても、運転は危ないからと出かけるときはいつもタクシーだ。それもなんだか自由がないような気がして、ここ数日彼女は家にこもりきりになった。

その理由はほかにもう一つあるのだが、それを今日夫の佑一郎に打ち明けるつもりでいた。豪勢な手料理と、ケーキを用意して。

――でも。