愛しの太ももサンタちゃん
サンタさん、遅い!

 琉花(ルカ)は、今年もひとりクリスマス。

 少し前にカレシができた。
 一週間前に『もう会わない』のメールが届いて破局した。
 たった一ヶ月のつきあい。えっちもしなかった。
 
 いいの、いいの。
 冬のイベント前に、独りでいたくない者同士、友人と友人の紹介でなんとなくくっついただけだから。

 違和感だらけで、ノリも悪くて、会話も続かない。
 ぜんぜんドキドキしなかった。
 ムリにクリスマスイブを過ごして、なんとなくえっちをしたって――。

 25日になったら、もう用はないんだよ。
 何ヶ月も前からあんなにどきどきして待っていたケーキも。甘酸っぱい苺も、変な味になっていくし。

 だから、食べる前に食べれなくなって良かったじゃん。良かったじゃん……。

 なかなか思うような男性に出会えない。
 好きな人はいたんだけど……。
 だいぶ前にあきらめた。
 気になって好きになって、会う度にときめいているだけなのが苦しくて。あきらめた。

 その人は仕事ばかりで、『恋』なんて見向きもしないから。

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