バース(アイシテルside伸也)

「やめて!!触らないで……」



目をきつく閉じて、震えだす亜美の体。



やっぱり怖いよな……



「亜美、俺だ。大丈夫。あいつらはもういない」



「伸也さん……」



俺は手を止め、亜美を抱きしめた。



亜美ごめん。



こんな風に怖がらせるつもりじゃなかったんだ。



「大丈夫」



体を震わせながら無理して微笑む亜美の姿を見ていると、それだけで充分だった。



体を重ねる事よりも、俺はこうしてお前の気持ちを感じていられる事のほうが嬉しい。



「無理すんな。怖くなったら、落ち着くまでこうしててやる」



「うん……」



何度も何度も怖くなる亜美を抱きしめた。



俺の想いが伝わるように出来るだけ優しく。

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