バース(アイシテルside伸也)

犠牲


亜美のいなくなった部屋で、亜美が残していった温もりに虚しさばかりが心を支配した。



亜美のために俺ができることは……



こんな俺でも、亜美の幸せくらいは願いたい。



だから、俺は携帯を手に取り、こたぁに亜美への伝言を頼んだ。



こうやって綺麗事を並べていても、結局は自分の側に亜美を置いておきたかっただけ。



俺は亜美の幸せだけを純粋には願えない、どうしようもない男だった。
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