バース(アイシテルside伸也)

寒さが身に染みる季節が訪れ、亜美の受験日となった。



迎えに行く約束はしていなかったが、落ち着かない俺は受験会場へと足を運ぶ。



試験が終わったのか、建物からは次々と人が出てきた。



プップゥ――――



亜美の姿を見つけると、運転席のドアを開け、クラクションを鳴らす。



俺の存在に気が付いた亜美は


「伸也さん!!」


と大声をあげ、駆け寄ってきた。



「お疲れ」



晴れ晴れとした亜美の表情に顔が綻ぶ。



もう一度、


「伸也さん」


と俺の名を呼んだ亜美は駆け寄ってきた勢いのまま、俺の胸の中へと飛び込んでくる。
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