私はまだ、ガラスの靴を履く勇気がない。
光と影と、光。
皆なにを抱えているか分からない。
それが人間という生き物だと言うのなら、私は納得する。
……でも、たった数時間前まで人間として見られていなかった私は、どうなるのだろう。
今日一日で、闇を理解するのは、とても難しい。
夢……あなたは、どんな闇を抱えているの?
私に、それは理解できる?
参考書を暗記するのは簡単だ。
でも、あなたの心は簡単には読めない。
今、あなたが涙を、私の目の前で流していても、私はどうすることも出来ない。
優しく手を握る。
「夢…教えて、お願い、知りたいの―――…私の、初めての友達だから」
――教えて。あなたの闇を。
…そう、強く願った。